運送業のM&Aは戦略と目的の決定がポイント

運送業のM&Aは戦略と目的の決定がポイント

規制緩和やインターネット通販の普及に伴う運送品の小ロット化などの影響により、物流・運送業界では競争が激化しています。
これから業界で生き残っていくためには、人材を確保するとともに価格競争力で優位性を保つなど、さまざまな条件をクリアしていかなければなりません。
ガソリン価格の高騰なども逆風になり、近年、物流・運送業界はますます厳しさを増しています。
そうした中、生き残りを賭けてM&Aに着手する会社が続々と登場しています。
しかし当然のことながら企業買収や合併にはコストが発生しますので、戦略や目的を練りに練ることが重要です。
まずは自社の強みや弱みを徹底的に調査し、補強すべきポイントを探る必要があります。
その補強すべきポイントとして考えられるのは営業エリアの拡大やノウハウ、あるいはドライバーをはじめとする人材や車両、はたまたシステム開発などが挙げられます。
そして、その補強すべきポイントに強みを持ったパートナー会社を探さなければなりません。
この際、お互いに弱みを補えるようなパートナーを探すのが最も理想的でコストパフォーマンスが高いM&Aを実現できる傾向があります。

中小企業として働く運送業のM&Aのメリット

中小企業である場合、運送業として経営を行っていくことに将来的な不安を抱えるところは少なくありません。
継続的に利益を出すことができなかったり、事業規模が小さくなってしまうと会社経営そのものが不安定になる可能性を否定できなくなるからです。
運送業では、こういった中小企業の行く末を安定させるためにM&Aという手法を採用して生き残りを模索するところも増えています。
実際に、こういった小規模経営を行っている企業にとってM&Aは非常に利用しやすい手段に違いありません。
まず、売り手側では資金が得られるうえに債務の不安が無くなります。
採算が取れないと考える場合には、保有している事業を手放して新しい投資先に切り替えることは悪いことではありません。
買い手にとっても、エリアの拡大や顧客の獲得など新しい分野に手を広げられる可能性が高くなります。
既に存在しているノウハウを引き継ぐ形で利用できますので、より良い形で事業規模を拡大できます。

著者:金谷節子

筆者プロフィール

福岡県福岡市生まれ。
地元の運送業者に長年勤務。
運送業のM&Aの重要性について記事をまとめました。